個人保証ともう一つのハッピーリタイヤ


後継者がいない経営者はハッピーリタイヤすることができるでしょうか。経営者に後継者がいない場合、経営者は廃業か事業譲渡によってリタイヤするしかありません。しかし、財務内容が悪化している場合はリタイヤすることすらできない状況に追い込まれてしまいます。

会社を廃業するには、従業員に退職金を支払い、取引先に対する債務を精算し、会社借入金を完済しなければなりません。財務内容が悪化している場合は会社財産でそれらの支払いをすることができないため、経営者個人の財産で補てんする必要があります。個人保証をしているからです。リタイヤ後の生活に困ることも考えられるため、廃業という選択肢を選べないケースがあります。

事業譲渡する場合も同じです。会社財産や事業価値を超える借入金の引き継ぎは拒否されるため、財務内容が悪化している場合は、経営者個人が保証債務を履行しなければなりません。個人保証をしているからです。そのため、事業譲渡という選択肢を選べないケースがあります。

では、後継者のいない経営者がハッピーリタイヤできないかというと、そうではありません。財務内容が良好であれば廃業することも事業譲渡することもできます。個人保証をしていても会社の財務内容が良好であればマイナスにはならないのです。そして、個人保証を外せる程度に財務内容が良ければ、より高い金額で事業譲渡することができます。後継者がいる場合と比べてリタイヤ後の生活環境に変化がある分次善の策ではありますが、もう一つのハッピーリタイヤだと言えるのではないでしょうか。