財務改善の基本スタンス


財務改善の基本的なスタンスは次のようになります。

1. 問題点の早期発見に努める

拠点がいくつかある企業では、細部に目配りが届きにくく、不良在庫や不良債権などの発見が遅れることがあります。従業員の教育に努め、定期的に会計監査を行うなど、問題点の早期発見に努めることが重要です。

 

2. 問題の解決を先送りしない

問題を軽視してその解決を先送りすることがあります。例えば、不良在庫を正常在庫として会計処理するような場合です。不良在庫と正常在庫の客観的な区別は難しく、在庫の単価が小さいため安易に考えがちですが、数年分が積み重なると比較的大きな金額になります。そうなってから損失処理する場合、損失を吸収できるだけの資本の厚みがあれば良いですが、そうでない場合は債務超過に陥って資金調達の道が絶たれることもあります。財務改善はその都度行うことがリスクを最小化します。

あるいは、問題が大きすぎてその解決を棚上げすることがあります。主要取引先の売掛金が貸倒れ、巨額の不良債権が発生したような場合です。不良債権の発生は財務資料の精査や資金繰り状況などで銀行に必ず発覚します。発覚してから損失処理する場合、損失を吸収できるだけの資本の厚みがあれば良いですが、そうでない場合は債務超過に陥って資金調達の道が絶たれることもあります。財務改善はその都度行うことがリスクを最小化します。

3. 問題発生の事実・原因・対応策を開示する

問題が発生した場合は、その事実・原因・対応策を銀行に開示して支援を求めることが重要です。責任当事者としての問題解決の意思を示すことは、銀行に対する企業の信用力を高めるチャンスでもあります。

4. 一つの正解を選び、残りの正解はいったん捨てる

財務改善は、財務内容に傷がある状態からスタートします。その傷が治るまでの間、正常な財務内容の時と違った対応を迫られることはやむを得ません。

 ・ 設備投資資金など成長資金を調達できない
 ・ 追加の担保を要求される
 ・ 金利を引き上げられる
 ・ 財務改善計画の策定を求められる
 ・ 財務資料の頻繁な提出を求められる
 ・ 不要不急の資産売却を迫られる
 ・ 役員報酬を減額しなければならない
 ・ 社員の給与を減額しなければならない
 ・ 社員の賞与を減額しなければならない
 ・ 社員の人員削減をしなければならない

経営者にとって優先順位の高い正解を選び、残りの正解はいったん捨てることを甘受しなければなりません。