銀行員の立場を理解する


銀行は、貪欲に利益を求めているものの、安全な運用と健全な財政を保つように厳しく規制されています。その一見矛盾する機能を部門間の牽制で成立させています。

つまり、貪欲な利益は渉外・融資部門が担い、安全な運用と健全な財政は審査・その他管理部門が担っています。

中小企業にとって銀行の窓口となるのは渉外・融資部門です。渉外・融資部門の担当者には次のようなインセンティブが働いています。全て自分の個人的な成績となるからです。

 ・ 積極的に融資を伸ばしたい
 ・ 手数料収入を獲得したい
 ・ 預金を獲得したい
 ・ 自行の株式を取引先に保有してほしい

このうち、「積極的に融資を伸ばしたい」というインセンティブは、安定的に資金調達したい中小企業と利害が一致しています。中小企業はこの利害の一致を最大限に利用すべきです。担当者は融資の根拠となる合理的な理由を常に求めています。中小企業は融資の根拠となる情報を担当者に提供すべきです。

また、担当者の歓心を買って味方につけることも大事です。融資を申し込んだ時の対応が違ってくるからです。担当者の個人的な成績に協力する意味はこの点にあります。

ただし、銀行の担当者は1、2年で交代します。その度に協力できればいいですが、現実的には不可能です。その場合は、担当者と定期的な面会をして会社業績の近況を報告するだけでも効果はあります。近年の銀行はリレーションシップバンキングを標榜しており、取引先企業のモニタリング活動を重視しています。取引先企業と密度の高いコミュニケーションを図ることも担当者の個人的な成績となるのです。