財務戦略の考え方「銀行融資の仕組み④」


銀行は内部格付制度の詳細を公表していないため、銀行が採用している財務指標を直接知ることはできません。しかし、デフォルト確率を推定するという観点では格付機関の信用格付も同じものなので、格付機関が公表している財務指標を分析すればその本質が分かりそうです。

ムーディーズとS&Pが採用している財務指標は奇しくも同じ6種類となっています。このうち、自己資本比率と相関性の高い有利子負債比率、総キャピタライゼーション比率、固定長期適合率、留保利益率を省いてやると、残った財務指標は自己資本比率と有利子負債/EBITDAの二つとなります。

自己資本比率は総資本が小さいほど評価が有利となります。また、有利子負債/EBITDAは当期純利益が大きいほど評価が有利となります。つまり、これらの財務指標は自己金融能力を測定する財務指標に他ならないことが分かります。

よって、デフォルト事象と関連の深い財務指標とは、自己金融能力を表す財務指標だと結論付けられます。