財務戦略の考え方「銀行融資の仕組み②」


借り手企業に対する基本的な取引方針・貸出条件を決める手続きを内部格付制度といいます。内部格付制度では実態財務を財務定量モデルに算入して一次格付をします。

借り手企業から提出された月次試算表や決算書等の財務情報を表面財務といいます。銀行は表面財務が借り手企業の実態を表していないと考えています。その理由は、借り手企業のほとんどが納税を目的とした財務諸表を作成しているからです。そのため、銀行は独自に会計処理を修正して実態に近い決算書を別途作成しています。それが実態財務です。

実態財務の基本的な考え方は二つあります。

  • 企業の自己資本は、将来的にキャッシュフローとなる資産に担保されていなければならないという考え方が一つです。不良債権や不良在庫は自己資本から控除されて評価されます。

  • 会計処理は毎期継続的・規則的に行われるべきという考え方が一つです。減価償却未済額は自己資本や当期純利益から控除されて評価されます。

なお、実態財務の把握は中小企業の財務戦略にとっても重要です。財務戦略を策定する場合、実態ベースで検討しなければ結論を誤る可能性が高いからです。