<せどりの経営管理塾 no.4> 資金調達をしましょう


 皆さんがせどり事業の成長を望むなら金融機関からの資金調達を検討すべきです。

 皆さんの多くはクレジットカードで仕入をしていると思います。この場合、カード枠合計の約半分で月間売上高が頭打ちになります。例えば、カード枠の合計が300万円であれば、月間売上高は150万円が上限となります。クレジットカードの利用から決済までの1クールが2カ月だからです。

 せどりは売れると分かっている商品を仕入れる事業モデルですから、より多くの商品を仕入れるほど売上と利益が増加します。しかし、商品仕入をクレジットカードだけに依存している場合は、カード枠の制限が掛かります。皆さんには売れると分かっている商品をカード枠が足りずに仕入れられなかった経験はないでしょうか?

 この問題を解決するためにカード枚数を増やすのは一つの手段です。しかし、カード枚数を増やせば利用枠の管理や決済に手間と神経を使います。せどり事業では仕入に全精力を注ぎたいですから、カードの増やし過ぎは避けたいところです。

 また、クレジットカードは短期資金です。仕入れてから実質1カ月以内に売り切って決済しないと資金ショートを起こします。あと1~2カ月あれば売れる見込みがある商品を資金決済のために処分価格で売り切るのは勿体ない話です。

 この問題を解決する根本的な方法は、金融機関から資金調達することです。現金ほど管理が楽で融通が利く決済手段はありません。また、長期資金なので利幅が大きく販売に時間が掛かる商品など仕入の選択肢が広がります。さらに、現金決済は格安で商品を仕入れるための交渉材料にもなりますから一石二鳥です。

 せどりを事業として行い、事業を成長させたいと望むなら、金融機関から資金調達するのは自然な流れです。

 「金融機関は小規模な事業者など相手にしてくれないのでは?」と考えがちですが、例えば、政府系金融機関は小規模で創業間もない事業者を対象とした制度融資が充実しています。政府は開業率を5%から10%に引き上げるため新規融資に積極的な姿勢ですから、それほど敷居が高いと身構える必要はありません。

 さて、金融機関からの資金調達を検討する場合は、その融資判断の基準を知っておいた方がよいでしょう。

 個人事業主の場合、金融機関は基本的にその人の属性で融資判断します。属性とは年齢、性別、業種、業歴、資格、学歴、取引先、役職など、その人一身に備わっている性質のことです。

 その大枠の中で担保や保証の有無、預金取引の状況、財務状況や収益状況を加味して最終的な融資判断をおこないます。

 また、税理士関与がある場合とない場合とで実務的には資金調達できる金額に差が出ます。

 税理士関与がない場合、金融機関は帳簿を全く信用していません。なので、属性・保証・担保の範囲内で安全を見た消極的な融資にならざるを得ません。そのため、希望額に満たない金額しか資金調達できないことがほとんどです。

 一方、税理士関与がある場合、金融機関は帳簿に一定の信頼を置いています。さらに、月次決算など計数管理ができている場合は、属性・保証・担保の範囲内で最大限融資する姿勢に変わります。

 私の経験を紹介すると、創業から約半年、関与開始から約2カ月の顧問先が無担保無保証の制度融資を受けられました。希望通りの数百万円でした。せどり仲間の中では自分だけだったそうです。

 私の顧問先が融資を受けられたのには理由があります。月次決算をして情報開示を徹底したことと、融資が必要な理由や事業の見通しなど融資返済までのストーリーを具体的な数字でしっかり示せたことがそれです。

 資金調達に税理士関与は必ずしも必要ではありませんが、資金調達に限界を感じているなら税理士関与を検討しても良いでしょう。