リカードの比較優位論の骨子


リカードの比較優位論の骨子は次の通りです。

自国の比較優位な財に特化して生産し、貿易(交換)によって他の必要な財を輸入すると、自国で全ての財を生産するより多くの財を消費できる(豊かになれる)

以下の仮定に基づく、簡単なモデルで解説します。

  • 全世界はポルトガルとイギリスの2か国で構成されている
  • 生産する財はワインと毛織物の2種類しかない

 

全世界の生産量を次のように仮定します。

リカード1

それぞれの財を生産するための各国の人員を次のように仮定します。なお、労働人口はこれが全てです。

 リカード2

生産効率(一人当たりの生産量)は次の通りです。

リカード3

ポルトガルの国内産業はワインの生産効率が高く、ワイン生産に比較優位性があります。また、イギリスの国内産業は毛織物の生産効率が高く、毛織物生産に比較優位性があります。そこで、ポルトガルはワイン生産に特化し、イギリスは毛織物生産に特化してみます。

リカード4

特化前と比べて、全世界のワイン生産量が1ℓ増加し、毛織物の生産量が0.25m増加しています。ここで貿易をしてみます。

リカード5

貿易前より消費量が増えていますから、貿易することで両国が豊かになったことがわかります。別の貿易パターンでもう一度検討してみます。

リカード6

ポルトガルは1ℓのワイン生産に1人の人員が必要ですから、余剰人員は2人です。2人で生産できる毛織物は1mですから、特化して貿易することで0.5m多く毛織物を消費できることになります。

また、イギリスは0.75mの毛織物を生産するのに3人必要ですから、余剰人員は6人です。6人で生産できるワインは1.2ℓですから、特化して貿易することで0.8ℓ多くワインを消費できることになります。このことはいかなる財の組合せでも成り立ちます。

ここでは2国2財という簡単なモデルを使いましたが、いかなる数の国家間でも、いかなる数の財でも成り立つことが立証されています。

なお、ここでのモデルは「高校生からのマクロ・ミクロ経済学入門Ⅱ」(菅原晃 著 星雲社 2010年 140p)から引用しています。