平成26年金融モニタリング基本方針


平成26事務年度・金融モニタリング基本方針が公表されました。その重点施策として、「事業性評価に基づく融資等」が掲げられています。金融機関には、「財務データや担保・保証に必要以上に依存することなく、借り手企業の事業の内容や成長可能性などを適切に評価し、融資や助言を行い、企業や産業の成長を支援していく」ことが求められることになります。

これに対し、銀行が対応に苦慮している状況が新聞報道されています(平成26年9月29日付・日経「事業性融資って何?戸惑う銀行」)。

銀行が戸惑うのは無理もありません。企業金融では、預金者保護の観点から融資時点での貸倒れは想定されていないからです。つまり、融資を1円残らず回収するのが銀行の義務です。

一方、金融庁が求めている融資形態は「事業金融」に近いものです(きっと同じ意味だろうと思います)。事業金融とは、貸倒リスクを想定し、それ以上のリターンが見込まれる場合に行われる融資形態のことです。事業金融では事業の成長性が融資判断の基準となります。

企業金融に貸倒リスクが想定できない中、「事業性評価に基づく融資」は不可能であるように思われます。「事業性評価に基づく融資」を推進したいのであれば、貸倒リスクの想定を認めなければならないでしょう。しかし、それは預金がリスクにさらされることを意味します。