法人化のタイミング


法人化のタイミング

もしあなたが法人化を検討しているなら「どのタイミングで法人化するのがベストか」は知りたいことの一つだと思います。法人化のメリットは節税効果にあるので、その観点から法人化のタイミングを判断するのが自然です。

まず、法人化の基本的な節税効果を復習します。

個人事業主が法人化すると、所得の種類が事業所得から給与所得に変わります。事業所得の所得控除は65万円が上限ですが、給与所得の所得控除は下限が65万円で上限は220万円です。そのため、同じ収入の場合は通常、給与所得のほうが節税になります。これが基本的なカラクリです。

一方、法人化すると赤字でも均等割を納税することになります。均等割は法人化に伴う追加的な負担といえます。広島県広島市に所在する法人(資本金1,000万円以下、従業者50人以下)の均等割は毎年71,000円です。

上記2点を判断材料とすると、節税額が均等割を上回れば法人化するメリットがあるので、それが一つのタイミングといえるでしょう。

節税効果は扶養親族の有無や年齢など個別的な事情で変わります。ここでは、「広島市に住む40歳未満の独身、単身世帯の事業者、所得控除は社会保険料控除と基礎控除のみ」という前提で検討します。

検討は、事業所得における税負担額と給与所得における税負担額の差額が均等割を上回る収入を調べることを目的とします。ここで収入とは、事業所得における「青色申告特別控除前の所得金額」、給与所得における「給与支給額」を意味します。

また、税負担額には健康保険料を含め、年金保険料を含めません。年金保険料の負担は将来的な受取額に反映されるので損得がないと考えられるからです。よって、税負担額とは、事業所得における「所得税・市民税・県民税・事業税・国民健康保険料の合計額」であり、給与所得における「所得税・市民税・県民税・会社負担分を含む健康保険料の合計額」とします。

以上を前提に検討すると、青色申告特別控除前の所得金額が340万円以上になれば節税額が均等割を上回る、という結論が得られます。

青色申告決算書をご覧ください。43番に「青色申告特別控除前の所得金額」欄があると思います。この欄の金額が安定して340万円を超えるなら法人化する価値があります。

ただし、注意点が2つあります。

先程も紹介した通り、節税効果は扶養親族の有無や年齢など個別的な事情で変わります。もしあなたが本気で法人化を検討しているならお問い合わせ下さい。あなたに合った最適なタイミングを計算します。

また、税理士等の専門家が作成した青色申告決算書をもとに判断する方が無難でしょう。甘い見通しで法人化するとかえって損になることもあり、ばかばかしいからです。そういう意味では、法人化を検討するタイミングは顧問税理士を探すタイミングかもしれません。

(この検討は平成29年11月時点の法令に基づいて計算しています。法令が変更になれば結論が変わることがあります。)