経営改善計画策定支援事業


経営改善計画策定支援事業

「経営改善計画策定支援事業」とは、中小事業者(法人及び個人)が認定支援機関の支援を受けて経営改善計画を策定する場合、支払い費用の2/3(上限200万円)を国が補助する事業です。

国は、この事業が利用されるケースとして、次の2つを想定しています。

  1. 中小事業者が過剰となった債務の返済負担で資金繰りに困窮している場合で、金融機関からリスケなどの金融支援を受けて事業を継続させたいケース
  2. 慢性的な赤字体質 or 債務超過 or 既にリスケなどの金融支援を受けているなどが原因で、新規に借入できない中小事業者が、金融取引を正常化して自由円滑な資金調達をしたいケース

1のケースでは、全ての金融機関が金融支援に同意する経営改善計画を策定する必要があります。

2のケースでは、全ての金融機関が金融支援に同意するだけでなく、下記の全ての要件を充たす経営改善計画を策定する必要があります。
・計画期間が10年以内
・3年以内に黒字化する
・計画期間内に債務超過が解消される
・計画期間内に債務償還年数が10年以内となる

2つのケースに共通するのは、中小企業者が自分で金融機関の利害を調整するのは困難だということです。さらに、2のケースでは計数的な専門性が求められるため、中小事業者が自分で計画を策定するのはほぼ不可能です。

そこで、専門的な知見を有する認定支援機関の支援を受けながら金融機関の利害調整を図り、計数的な要件を充たす経営改善計画を策定するという制度が考えられました。認定支援機関へ支払う費用負担を軽減する施策として補助金が支給されることになったわけです。

この事業を利用するには認定支援機関の関与が必須となっています。私は認定支援機関としてこの事業を支援する知見を有しています。

事業予算と実質負担額

この事業では中小事業者の規模に応じて事業予算が決まっています。

事業予算には、計画の策定に係る費用とその後3年間のモニタリングに係る費用が含まれています。

事業予算及び実質負担額は次の通りです。

小規模(売上高1億円未満、かつ、有利子負債1億円未満)

・事業予算 税込100万円(実質負担額34万円、国からの補助金66万円)

中規模(売上高10億円未満、かつ、有利子負債10億円未満)(小規模を除く)

・事業予算 税込200万円(実質負担額67万円、国からの補助金133万円)

大規模(売上高10億円以上、または、有利子負債10億円以上)

・事業予算 税込300万円(実質負担額100万円、国からの補助金200万円)

事前に理解しておくべきこと

これは私見ですが、この事業を利用するにあたって事前に理解しておくべきことがあります。

金融機関は中小事業者との取引を正常化したいと考えています。この点で金融機関と中小事業者の利害は一致しています。ただし、金融機関には金融庁の目線、あるいは、株主の目線に対する説明責任があります。なので、中小事業者との取引を正常化するには一定の基準を充たす必要があります。つまり、主導権は金融機関が握っています。この事業を利用するにあたっては、自分の都合よりも金融機関の都合を優先させざるを得ません。

また、経営者は当事者意識を前面に出す必要があります。金融機関から金融支援を受けるには、責任の所在を明確にすることが必要です。例えば、先代から引き継いだ借入金の責任を取るのは負担だと思いますが「私が責任を持って返す」と明言することです。あるいは、経営改善計画の実行は私が責任を持って遂行する」と明言することです。実行する以前に「有言」する必要があります。

最後に、認定支援機関の役割は、金融機関の基準が厳しくなり過ぎないように監視し、基準を充たすための選択肢を提示し、金融機関の合意が得られるように計画を調整することです。この事業の主体はあくまで経営者本人であり、認定支援機関が経営者を代理して行動することはありません(弁護士法により非弁行為はできません)。認定支援機関を正しく利用することがこの事業を成功させるカギとなります。