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初めまして。しきや会計&コンサルティング代表、税理士の志喜屋でございます。

早速ですが、読者の皆さんに質問させていただきます。

経営者保証に関するガイドラインをご存知ですか?

初めまして。しきや会計&コンサルティングで秘書を務めております、Tです。今回は、読者の皆さんに代わって聞き手を務めさせていただきます。

「経営者保証に関するガイドライン」は確か、経営者の個人保証に関する取扱いを定めたガイドラインだと聞いています。平成26年2月に適用開始となったんですよね。一体どんな内容なんでしょうか?

「合理的な保証契約の在り方」と「保証債務の整理」に関する指針を定めたものが、「経営者保証に関するガイドライン」です。

「合理的な保証契約の在り方」に関しては、主たる債務者である中小企業が一定の経営状況の要件を充たしている場合には、保証契約しないのが合理的な保証契約の在り方だとし、債権者である金融機関にそのような取り扱いを求めています。

また、「保証債務の整理」に関しては、保証人の手元に残される残存資産の範囲や、残存する保証債務を免除する要件などが規定されています。ガイドラインによって保証債務を整理すれば、再チャレンジ可能な信用と資産が保証人に残されることを明確にした点が、ガイドラインの一つの特徴だと言われています。

「保証債務」とはどういうものなんでしょうか?

保証契約によって負担する債務を、主たる債務と区別して「保証債務」といいます。その内容は、連帯保証による限定根保証が一般的で、その範囲は、主たる債務者が負担する一切の債務が対象となります。また、保証契約を更新しない場合でも、保証期間中に発生した債務が完済されるまでは、その責任を負い続けることになります。そして、保証債務は相続されます。保証人が不意に死亡した場合には、法定相続人に相続されることになります。

保証債務は相当に重い責任なんですね・・・。経営者の心理的な負担は相当なものだと想像がつきます。ところで、心理的な負担以外にも、経営者が保証債務を負担しているデメリットやリスクはありますか?

保証債務を負担しているデメリット・リスクをまとめると次のようになります。

第一に、保証契約がある場合は、事業再生などに至った場合に、再チャレンジ可能な信用や資産は残されるものの、相当の財産を失います。そのため、それに着手するかどうか、非常に厳しい決断を迫られることになります。

第二に、保証債務は相続されますので、法定相続人は何らかの準備をしておく必要があります。

第三に、保証債務の引継ぎがネックとなって後継者の確保が困難となることがあります。帝国データバンクの調査(2013年)によると、オーナー企業の69%が後継者不在であり、65歳以上のオーナー社長の49%が後継者問題を抱えていますが、その原因の一つが経営者保証だといわれています。

第四に、事業承継時に前経営者の保証契約を解除するには、社内的・社会的な地位を放棄しなければならず、それを維持すると保証契約を解除できない、というジレンマに陥ります。

なるほど・・・。保証債務を負担していると、万一の時や老後の心配が現実味を帯びることになるんですね。では、保証債務を負担しないメリットは何でしょうか?

保証債務を負担しないメリットは次の通りです。

第一に、事業再生などに至った場合でも、担保提供した財産以外を失うことはありません。そのため、経営者の能力や責任を著しく超える経営危機が発生した場合に、事業再生などの決断がしやすいというメリットがあります。経営者がリタイヤ間際であれば、尚更、そのメリットは大きいといえます。

第二に、「保証契約なし」の状態は、財務内容が良好であることを意味しますので、経営者在任期間中の報酬・配当を最大にすることができます。

第三に、保証契約がない場合は、実子だけでなく、親戚や従業員にまで後継候補者の範囲を広げることができますので、後継者を確保しやすくなります。

第四に、事業承継時に前経営者の社内的・社会的な地位を当然に維持できますので、まさに、ハッピーリタイヤを体現することができます。

第五に、経営状況が悪化した場合でも、経営者の能力と責任の範囲内で対応可能な場合は、融資を引き出す切り札として「保証契約」を選択することができます。

これらを踏まえると、保証債務を負担しない状態は経営者にとって非常にメリットが大きいことが分かります。

保証債務を負担しない状態をキープすることが、一つの経営目標とさえなり得る、と私は考えています。

なるほど! 保証債務を負担しない状態が、経営者にとって非常にメリットが大きいことが分かりました。では、どうやったら保証契約を解除することができるのでしょうか?先ほど、一定の経営状況の要件がどうこうおっしゃっていましたが・・・?

はい、主たる債務者が一定の経営状況の要件を充たしている場合は、保証契約が解除される可能性が高くなりました。次に、経営状況の要件に関して説明したいと思います。

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