小さなビジネスをナッジする

税金の計算だけが税理士の役割ではありません。
小さなビジネスをナッジする___私にはそういうミッションがあると考えています。

ナッジ(nudge)は、ノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラーによって提唱された言葉で、人々が重要な意思決定をするとき、その自由な選択を阻害しないように配慮しながら、より良い選択に導くデフォルト(標準)の選択肢を示すことを意味しています。

つまり、あなたのビジネスが重要な意思決定をするとき、より良い選択に導くデフォルトの選択肢を示すこと、それが私のミッションだと考えています。

ただし、あなたのビジネスなので利益も損失も全てあなたが引き受けるほかありません。だから、あなたの経営判断は最大限尊重されるべきだと考えています。つまり、結論を押しつけることはしません。

あなたが小さなビジネスを経営していると仮定しましょう。

あなたはその道で十分な経験を積み、自信を持って日々の仕事を切り盛りしているはずです。仕事に関して独自の見識を持ち、少々の難題は苦も無くこなしていることでしょう。しかし、あなたの知識やスキルは、自分のビジネス関連に偏っているのではないかと推測します。節税や経営を勉強する時間も気力も残されていないのではないか、と思うからです。

もしあなたが、インターネットや経営者仲間を情報源として節税や経営の判断基準としているならそれは非常に危険です。

インターネットの情報が眉唾なのはご承知の通りですし、また、税法は納税者の個別具体的な事情を基にその適用の可否を判断するため、経営者仲間やインターネットで是認された事例があなたのビジネスで否認されることは普通にあるからです。

また、銀行融資や事業計画などの経営スキルに関して、あなたのビジネス固有の事情を勘案せずにうまくいくことはほとんどありません。その他のビジネスの成功事例がそのままあなたのビジネスに当てはまるとは限らないからです。

なので、もしあなたがインターネットや経営者仲間の情報を節税や経営の判断基準としているなら、あなたの意思決定は経済合理性ある意思決定ではないかもしれません。

経済合理性とは「論理的に判断して経済的な利益が得られること」をいいますが、節税や経営に関して経済合理性ある意思決定なしにビジネスを成長させることができるでしょうか?それどころか、ビジネスを継続させることができるでしょうか?

あなたのビジネスには助けが必要ではないでしょうか?

だから、私はあなたのビジネスをナッジしたいと考えています。

前述のセイラーは、ナッジを提供する人が専門知識を持っており、ナッジを受ける人の選好を簡単に推測できるとき、有用なナッジを提供できる可能性が高いと説明しています。

あなたは自分のビジネスに関して次にように考えているのではないでしょうか?

・自分のビジネスを成長させたい
・自分のビジネスを継続させたい
・豊かになりたい。
・税金は少ないほうがいい
・顧客、従業員、家族から感謝されたい
・ビジネスの成功者と言われたい

もし、概ね正解ならあなたの選好は簡単に推測されたことになります。つまり、私はあなたに有用なナッジを提供できる可能性が高いということです。

さて、次に、私が対象としているビジネスは、小さなビジネスです。

小さなビジネスとは、あなたに全てを依存しているビジネスを想定しています。すなわち、あなたが全ての過程に責任ある立場で関わっている状態で、あなたなしには立ち行かないビジネスのことです。売上高の大小、従業員の多寡は問いません。

対義語となる「大きなビジネス」の定義を述べればより明確になるかもしれません。「大きなビジネス」とは、あなただけでなく複数の幹部社員に依存しているビジネスを想定しています。担当役員、事業部長、支店長、営業所長の類がいて、あなたなしでも会社が回るビジネスのことです。

では、なぜ小さなビジネスか?と思うかもしれません。

それは、小さなビジネスの夢は一つだからです。あなたをナッジすればビジネス全体をナッジできるので、より成功に導きやすいと考えています。様々なビジネスを疑似体験できるのが税理士の醍醐味だと私は考えていますが、ダイレクトに達成感を味わえるのが小さなビジネスです。あなたの成功が私のやりがいだといえばご理解いただけるでしょうか?

最後に、ナッジを提供するタイミングに言及してこの稿を締めます。

助言は「招かれざる客」と言われるように、あなたに興味がなかったり、時期を失しているときは役に立たないばかりか、迷惑なことだと理解しています。

だから私は「必要なタイミング」が来るまで待っています。そして、その手段として記帳代行があると考えています。記帳代行をし始めて2~3年経つとあなたのビジネスの状況やその変化が理解できるようになるからです。

私が何も提案しないからといってあなたのビジネスに無関心というわけではありません。むしろ強い関心を持って時期を伺っています。ただ単に今は必要ないと判断しているだけなのです。とはいえ、あなたからその時々の課題を伝えることも重要です。課題が分かれば対策を提案しやすいからです。

本稿のまとめ

小さなビジネスをナッジする___それが私のミッションだと考えています。

もし、あなたのビジネスが小さなビジネスなら、必要なタイミングで経済合理性ある意思決定に導き、あなたのビジネスが成功する一助になりたいと考えています。

また、それが税理士の醍醐味だと考えています。

ただし、利益も損失も全てあなたが引き受けるほかないのだから、決して結論を押しつけることなく、あなたの最終的な経営判断は尊重します。

 

さて、私のミッションを紹介したのは、職業人としての価値観をあらかじめ伝えることがあなたの判断に資すると考えたからです。もし共感できるなら、私の基本方針・個別方針に目を通してみてはいかがでしょうか?