部門の使い方【マネーフォワードクラウド会計・クラウド確定申告】
部門の使い方
部門は、会社に下部組織が複数ある場合、その下部組織ごとの業績を把握するために利用する。中小企業においては、拠点ごとの業績を把握する目的で利用することが多い。例えば、次のようなケースである。
・飲食店、物品販売店が店舗ごとの業績を把握する目的で利用
・商社が支店ごとの業績を把握する目的で利用
・建設業が営業所ごとの業績を把握する目的で利用
もし、御社に複数の拠点がある場合は、部門管理して拠点ごとの業績を把握するのが経営管理の基本であり、部門の機能はそのために利用する。
なお、部門管理は業績把握が目的なので、損益計算書科目(PL科目)だけで必要十分である。貸借対照表科目(BS科目)は部門管理する必要はない。
部門の設定
部門の設定方法は次の通り。
・各種設定>部門
・(右上の)部門を追加>部門名を入力>登録
部門入力の事務作業量を軽減する方法
部門管理では、すべての損益科目を部門ごとに区分する必要があるので、経理や記帳の事務作業量が相当に増加する。
それを軽減する方法として、仕訳辞書や自動仕訳ルールにあらかじめ部門ごとの勘定科目を登録しておく方法が考えられる。
具体的な設定や使い方は実際の操作画面を確認してもらった方が早いと思うので、Youtube動画で確認してほしい。
残高試算表の確認
すべての損益科目を部門別に登録すると、部門別の損益計算書が確認できる。操作手順は次の通り。
・会計帳簿>残高試算表
・損益計算書
・部門>プルダウンで選択>検索
なお、入力時に部門選択もれがある場合は「共通部門」に集計される。共通部門が0となっていることを定期的に確認して、部門の選択漏れがないようにしたい。
配賦基準の設定、配賦基準の割当について
すべての損益科目に関して、部門をもれなく選択するのは事務的に大変なので、損益科目の金額を事前に設定した部門ごとの割合で振り分ける機能がある。それが、配賦基準の設定、配賦基準の割当の機能である。
例えば、配賦基準として「社会保険料」というタイトルを作成し、部門ごとの配賦割合を設定する。次に、法定福利費に「社会保険料」の配賦基準を割り当てる。そうすることで、部門別に区分して仕訳登録することなく、社会保険料を各部門の法定福利費に自動的に振り分けることができる。
一見、便利な機能だが、私は次の理由で使っていない。
・配賦基準の妥当性に疑問があること
・端数が発生し、共通部門に振り分けられること
配賦基準は、拠点ごとの売上高や社員数などを根拠として割合を決めることになるが、その妥当性は低いと言わざるを得ない。その結果として、部門別損益計算書の信頼性は低く、各部門の業績判断の根拠となり得ない。
また、この機能では仕訳するごとに端数計算が行われ、端数が共通部門に割り振られる。私は、残高試算表や推移表など各種帳票をCSVに落として経営指導や事業計画の資料を作成するが、共通部門の端数をその都度任意の部門に割り振る必要があって面倒である。
以上の理由で私は使っていないが、もしあなたが上記の問題点に妥協できるなら使ってみるのも一つの方法かもしれない。
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