弥生会計からマネーフォワードに乗り換える実務的な手続き【マネーフォワードクラウド会計】

データ移行する会計年度、最初に移行する会計年度

最初に、データを移行する会計年度を定める。私の場合、消費税の基準期間が2期前であること、3期分の業績推移を比較することなどを根拠に、直前2期分と当期分の都合3期分を移行している。

仮に、移行する会計年度を3期分と定めた場合、最初に移行する会計年度は、最も古い2期前の会計年度となる。そして、次年度更新をしながら、直前期分、当期分と、順次、データを移行していく手順となる。

マネーフォワードの事前準備(設定例)

次に、マネーフォワードの事前準備として、事業者の設定を弥生会計と一致させる。

まず、会計期間が合ってないとデータが取り込めないので、会計期間を2期前の会計期間に合わせる。

また、消費税の設定が合ってないと取り込んだ金額に差異が発生するので、消費税の課税形式、経理方式、端数処理を合わせる。なお、弥生会計では消費税の課税方式、本則課税となっているが、マネーフォワードでは課税形式、原則課税と読み替えて設定する。

また、建設業や製造業など、製造原価報告書を作成している場合は、製造原価科目を利用するに設定する。

仮に、弥生会計の事業所設定が、会計期間は2024年4月1日~2025年3月31日、消費税の課税方式は本則課税(個別対応方式)、経理方式は税抜(内税)、端数処理は切り捨てで設定されている場合、マネーフォワードの事業者設定は次の通り。

・各種設定>事業者
・会計期間>2024/4/1~2025/3/31
・消費税
 ・課税形式>原則課税(個別対応方式)
 ・経理方式>税抜(内税)
 ・端数処理>売上、仕入>切り捨て

弥生会計のデータをエクスポート

次に、弥生会計のデータをまとめてエクスポートする。エクスポートするデータは次の通り。

・勘定科目一覧表
・補助科目一覧表
・残⾼試算表(⽉次‧期間)
・補助残⾼⼀覧表(⽉次‧期間)
・仕訳日記帳

まずは、勘定科目一覧表をエクスポートする。このデータは、勘定科目のマスタを移行するために利用する。操作手順は次の通り。

・設定>科目設定
・ファイル>エクスポート
・出力帳表>勘定科目一覧表
・書式>汎用形式
・区切り文字>カンマ(CSV)形式
・出力先>参照をクリック>ダウンロード
・ファイル名>勘定科目>保存
・OK

次に、補助科目一覧表をエクスポートする。このデータは、補助科目のマスタを移行するために利用する。この手続きは、勘定科目一覧表のエクスポート完了後に続けて行う。操作手順は次の通り。

・「エクスポートは正常に終了しました」>OK
・ファイル>エクスポート
・出力帳表>補助科目一覧表
・書式>汎用形式
・区切り文字>カンマ(CSV)形式
・出力先>参照をクリック>ダウンロード
・ファイル名>補助科目>保存
・OK

次に、残⾼試算表(⽉次‧期間)をエクスポートする。このデータは勘定科目の開始残高として利用する。操作手順は次の通り。

・集計>残⾼試算表>⽉次‧期間
・全期間を選択
・ファイル>エクスポート
・出⼒帳票>残⾼試算表(⽉次‧期間)
・書式>汎⽤形式
・区切り⽂字は>カンマ(CSV)形式
・出力先>参照をクリック>ダウンロード
・ファイル名>残⾼>保存
・出⼒対象>損益計算書のチェックを外す
・OK

次に、補助残⾼⼀覧表(⽉次‧期間)をエクスポートする。このデータは補助科目の開始残高として利用する。この手続きは、残高試算表のエクスポート完了後に続けて行う。操作手順は次の通り。

・「エクスポートは正常に終了しました」>OK
・ファイル>エクスポート
・出⼒帳票>補助残⾼⼀覧表(⽉次‧期間)
・書式>汎⽤形式
・区切り⽂字は>カンマ(CSV)形式
・出力先>参照をクリック>ダウンロード
・ファイル名>補助残⾼>保存
・OK

次に、仕訳日記帳をエクスポートする。仕訳日記帳は、期中に発生した全ての取引が記帳された帳票なので、今回移行するデータの中で主要なデータとなる。操作手順は次の通り。

・帳簿・伝票>仕訳日記帳
・全期間を選択
・ファイル>エクスポート
・書式>弥⽣インポート形式
・区切り⽂字>カンマ(CSV)形式
・出力先>参照をクリック>ダウンロード
・ファイル名>仕訳データ>保存
・OK

検索キーの移行

次に、マネーフォワードでは、勘定科目や補助科目の検索キーがデフォルトで設定されていないため、弥生会計の検索キーをマネーフォワードに移行する設定をする。

まずは、エクスポートしたデータのうち、勘定科目と補助科目のデータ形式を「.txt」から「.csv」に変更する。操作手順は次の通り。

・ダウンロードフォルダで拡張子を表示させる
・表示>表示>「ファイル名拡張子」をクリック
・右クリック>名前の変更
・「.txt」を「.csv」に変更する

なお、この作業は、データをエクスポートするときに、「.txt」を「.csv」に変更してからエクスポートしても同じ結果が得られるので、どちらか好みの方法で対応してほしい。

次に、csvファイルを開いて、「サーチキー英字」を「MF検索キー」に変更して保存する。なお、データ形式は「.csv」のままでマネーフォワードに取り込めるので、このまま手続きを進める。

データのインポート

次に、マネーフォワードでデータをインポートする。インポートの手順として、最初に、勘定科目と補助科目のマスタをインポートし、次に、それぞれの開始残高をインポートし、最後に、仕訳データをインポートする、3ステップの手続きとなる。

まずは、インポート画面を開く。操作手順は次の通り。

・各種設定>他社ソフトデータの移行
・(左上の)弥生会計

次に、勘定科目と補助科目のマスタをインポートする。操作手順は次の通り。

・Step1勘定科目>インポート
・勘定科目>ファイルを選択>勘定科目.csv
・補助科目>ファイルを選択>補助科目.csv
・インポート

次に、勘定科目と補助科目の開始残高をインポートする。操作手順は次の通り。

・Step2開始残高>インポート
・残高試算表(月次・期間)>ファイルを選択>残高.txt
・補助残高一覧表(月次・期間)>ファイルを選択>補助残高.txt
・インポート
・開始残高が開く>一番下までスクロール
・設定を保存

開始残高のインポートが完了したら、残高試算表を開いて開始残高をざっと確認したほうがよい。操作手順は次の通り。

・会計帳簿>残高試算表
・補助科目をすべて開く

次に、仕訳データをインポートする。操作手順は次の通り。

・Step3仕訳をインポート>インポート
・ファイルを選択>仕訳データ.txt
・インポート
・確認
・保存

データ件数にもよるが、インポートには数分程度かかる。ホーム画面に戻って、「仕訳ファイルのインポート処理が完了しました。」の表示が出るまで待つ。

インポート不具合の修正

インポートが完了したら、データ移行完了のはずなのだが、残念ながら、仕訳データのインポートでは、不具合が確認されている。

その内容として、2026年4月時点において、インボイス登録していない事業者からの課税仕入であっても、80%仕入税額控除できる取り扱いとなっているが、その設定がマネーフォワードに反映されない不具合が発生する。

その結果、仮払消費税には残高が発生し、該当する費目の金額に齟齬が発生する。もちろんだが、当期純利益の金額も相違する。

なお、この不具合は、税抜経理方式を採用している事業者にのみ発生し、税込経理方式を採用している事業者には発生しない。

さて、この不具合は、この時点では、1件1件手作業で修正するほかなさそうである。

まずは、弥生会計で対象となる仕訳を絞り込み検索する。操作手順は次の通り。

・弥生会計に画面切替
・帳簿・伝票>仕訳日記帳
・全期間を選択
・絞り込み機能を使うにチェック
・(右上の)請求書区分>区分記載
・エンターキー

次に、マネーフォワードの仕訳帳で取引を検索して修正する。なお、弥生会計の伝票ナンバーに1を足すとマネーフォワードの取引ナンバーとなるのでそれを使うと早い。操作手順は次の通り。

・会計帳簿>仕訳帳
・取引no.に入力(伝票No.+1)>検索
・取引を確認後、編集をクリック
・適格のチェックを外す
・保存

修正が完了したら、残高試算表で仮払消費税の残高を確認する。残高が0となっていれば正しく修正できているので、データ移行完了である。

残高試算表の金額チェック

データ移行が完了したら、残高試算表で勘定科目、補助科目の金額を逐一チェックする。具体的には、前期残高、借方金額、貸方金額、期末残高の金額を、一つずつ弥生会計の金額と突き合わせる。

なお、弥生会計では、前期繰越、期間借方、期間貸方、当期残高、と言葉が異なるが、適宜読み替えてチェックする。

私の場合、それぞれの残高試算表をプリントして、赤ペンでチェックしながら念入りに突合している。ここでの齟齬を見逃してしまうと、あとあと、面倒な事態に陥るからだ。絶対に間違いないと言える程度の強度でチェックしたほうがよい。

チェックが完了し、金額に齟齬がなければ、2期前のデータ移行は完了である。

直前期分、当期分のデータ移行

2期前のデータ移行が完了したら、次に、直前期分のデータを移行する。手続きの流れは次の通り。

・弥生会計で、直前期分の仕訳データをエクスポートする
・マネーフォワードで、2期前の会計年度を次年度更新し、直前期分のデータ領域を作成する
・マネーフォワードで、直前期分の仕訳データをインポートする
・残高チェックまでデータ移行の手続きをする

仕訳データのエクスポートとインポート、および、残高チェックの手続きはすでに説明済なので割愛する。

マネーフォワードの次年度更新の操作手順は次の通り。

・決算・申告>次年度繰越
・1. 次年度へ繰り越すデータを選択>☑2024年度の期末残高
・2. 仕訳入力を制限する/しない>☑2024年度以前の仕訳入力を制限する
・3.帳簿保存の設定>☐仕訳履歴保存機能を利用する
・「データを繰り越して次年度を作成」ボタンをクリック
・ポップアップ画面>OK

直前期分のデータ移行が完了したら、同じ要領で当期分のデータを移行する。以上で、弥生会計からマネーフォワードへの乗り換え作業は完了である。