口座連携の基礎知識【マネーフォワードクラウド会計・クラウド確定申告】

口座連携は効率がいい

マネーフォワードを利用する最大のメリットは口座連携である。銀行口座、クレジットカード、電子マネー、Amazonなどの取引明細を簡単にもれなく取り込んでくれるため、手入力に比べて桁違いに記帳効率がいいからだ。

今回の記事では、口座連携の基礎知識について解説したい。これを知っておくと臨機応変な対応が可能となり、記帳の安心感が増すはずである。マネーフォワードを使いこなすにあたって欠かせない知識となっているのでこの機会に習得してほしい。

口座の新規登録

まずは、口座の新規登録の操作方法について説明する。

・データ連携>新規登録
・カテゴリータブから自分の使っている口座を選択
 ・銀行、カード、電子マネー・プリペイド、サービス連携、通販、・ビジネス
・それぞれの口座の指示に従ってアカウント情報を入力する

連携サービスの選択

口座によっては枝番口座が設定されている口座がある。例えば、銀行口座に支店ごとの枝番口座が設定されていたり、クレジットカードに複数発行されているカードごとの枝番口座が設定されていたりする。

そういう場合、事業利用する枝番口座は連携させ、そうでない枝番口座は連携させない設定をする必要がある。

・データ連携>登録済一覧
・(右上の)連携サービスの選択
・家計用の口座、個人利用している口座のチェックを外す>(下の)保存する

口座データの一括再取得

☐ 一括再取得
仕訳登録の前には必ず口座データを一括再取得して直前までのデータを取り込むのが基本

☐ 一括再取得の操作
基本的に手動で再取得する。一括再取得の操作方法は次の2つ。
・ホーム>(右上の)一括再取得 or
・データ連携>登録済一覧>(右上の)一括再取得

☐ 連携中の推奨操作
・理由は分からないが、放置するより、画面を切り替えるほうが早くデータ連携できる
・「ホーム画面」と「登録済一覧画面」を10秒置きぐらいに交互に画面を切り替える

☐ 一括再取得が正常に完了したかを確認する
・データ連携>登録済一覧>一括再取得
・取得状態が「正常」となっていることを確認
・最終取得日時が今日の日付となっていればOK

一括再取得のエラー対応

一括再取得は連携エラーが表示されることが多い。エラーの種類と対応方法は以下の通り。

設定エラー
・ログイン情報に不備がある場合に表示されるエラー
・預金口座は定期的にログイン情報を入力する必要があるので定期的にこのエラーが表示される
・ログイン情報を再度入力すれば再取得が可能となる

要ワンタイムパスワード
・口座側のセキュリティとして、ワンタイムパスワードが必要な場合に表示される
・ワンタイムパスワードを入力すれば再取得が進行する
・Amazon出品者アカウントなど

☐ 要画像認証
・口座側のセキュリティとして、画像認証が必要な場合に表示
・画像認証を入力すれば再取得が進行する

☐ 重要なお知らせ
・口座側でメッセージが出ている場合に表示
・口座側のサイトにログインして対応する必要あり

☐ 一時停止中
マネーフォワードがメンテナンス中のときに表示
マネーフォワードのサイトで「現在メンテナンス中のデータ連携サービス」が公開されている
・表示されている場合でも日を変えて再取得すると正常化することが多い

☐ メンテナンス中
・口座側がメンテナンス中の時に表示
・表示されている場合でも日を変えて再取得すると正常化することが多い

一括再取得のタイムラグに関する注意点

☐ タイムラグについて
預金口座に関してはタイムラグが発生することはない。再取得した時点までのデータが全て取り込まれる。

一方、クレジットカードは基本的にタイムラグが発生すると考えたほうがいい。カード加盟店からカード会社への請求にタイムラグがあるため、再取得した時点までのデータが全て取り込まれるわけではない。利用日から1か月遅れで連携されるデータもあるので決算の時は特に注意が必要である。例えば、ETCは頻繁にタイムラグが発生するので要注意である。

☐ データが欠損するケース
預金口座によっては、再取得した日からさかのぼって3か月間など連携可能期間が設定されている。そういう口座は定期的に再取得しないとデータの欠損期間が発生する恐れがある。できれば、毎月再取得するように習慣づけたほうがいいと思う。

明細一覧画面の表示

口座連携で取り込まれたデータは明細一覧画面で確認することができる。
・データ連携>登録済一覧
・確認したい連携サービスの明細一覧>閲覧

この画面では取引ごとに「日付、内容、金額、残高、連携サービス、ステータス、仕訳取引No、編集」といった内容が表示される。

また、この画面では「連携サービス、ステータス、期間、金額、内容」で絞り込み検索することが可能となっている。

表示される項目のうち重要なのは「ステータス」である。ステータスを理解すれば口座連携の仕組みが理解できるので、仕訳登録などで臨機応変な対応が可能となる。

データのステータス

口座連携でいったん取り込まれたデータは、口座自体を削除しない限り消えない仕様となっている。例えば、仕訳登録した取引を削除しても、ステータスが変化するだけでシステムからデータが消えることはない。

データのステータスは全てのほか「未入力」「入力済み」「対象外」「入力後に内容変化あり」の4種類である。

「未入力」は、取り込まれたあと仕訳登録していない取引のステータス。ホーム画面の未仕訳に件数表示される。

「入力済み」は、仕訳登録された取引のステータス。「仕訳取引no」欄に取引番号が表示される。

「対象外」は、仕訳登録時に対象外で処理された取引、または、仕訳登録後に削除された取引のステータス。「編集」欄に「対象外の解除」ボタンが表示され、クリックすると「未入力」状態に戻る仕様となっている。

「入力後に内容変化あり」は、楽天やAmazonなどビジネスカテゴリで仕訳登録後に金額変更された取引のステータス。このステータスで表示される取引はいったん仕訳を削除して再度仕訳登録する必要がある。

ステータス変化の実演

仕訳登録や削除によってステータスがどのように変化するか実際にやってみる。YouTube動画を視聴してほしい。

まずは操作画面を2つ開く。

左の画面は北九州銀行をクリックして仕訳登録画面を開く。
・ホーム画面>北九州銀行の未入力

右の画面は北九州銀行の明細一覧画面を開く。
・データ連携>登録済一覧>(北九州銀行の)明細一覧>閲覧

今回は一番上の取引でステータスの変化を実演する。

まずは閲覧画面でステータスが「未入力」となっていることを確認する。

次に、仕訳登録画面で仕訳登録する。この時、仕訳登録前の勘定科目は青色で表示されているが、これは自動仕訳ルールが設定されていないことを意味する。

閲覧画面に戻り、検索ボタンをクリックして最新情報に更新するとステータスが「入力済み」に変化し、取引番号が表示される。

次に、仕訳帳を開いて登録済みの仕訳を削除する。
・会計帳簿>仕訳帳>(右の)点3つ>削除>OK

閲覧画面に戻り、検索ボタンをクリックして最新情報に更新するとステータスが「対象外」に変化し、編集欄に「対象外の解除」ボタンが表示される。

次に、「対象外の解除」ボタンをクリックするとステータスが「未入力」に変化する。

北九州銀行の仕訳登録画面で検索ボタンをクリックして更新すると、最初の取引が元通りに表示されている。

ただし、自動仕訳ルールが登録されているので勘定科目が白色となっている。

完全に元通りにしたい場合は、自動仕訳ルールを削除する。
・(右上の)自動仕訳ルール>削除>OK

北九州銀行の仕訳登録画面で検索ボタンをクリックして更新すると、勘定科目が青色となり、完全に元通りとなる。