月締め処理>残高試算表のチェック【マネーフォワードクラウド会計・クラウド確定申告】

残高試算表のチェック

マネーフォワードが提供する帳票の中で、最も利用頻度が高いのが残高試算表である。

現金出納帳を取り込んで仕訳登録し、定型的な仕訳登録をし、必要に応じて売上帳や買掛帳を取り込んで仕訳登録したら、最後に、残高試算表で会計処理の妥当性をチェックする。

残高試算表の表示手順は以下の通り。

・メニュー>会計帳簿>残高試算表
・選択期間>直前月>検索
・(左上の)補助科目をすべて開く

貸借対照表のチェック

残高試算表は、貸借対照表、損益計算書で構成されている。建設業や製造業は製造原価報告書が追加されるが、これは、損益計算書の売上原価の内訳項目を表すに過ぎないので、大きく分けてB/SとP/Lの2つの帳票で構成されると理解しておけば十分である。

月締め処理では、最初に貸借対照表をチェックする。貸借対照表が妥当であれば、損益計算書の妥当性が推定できるのが複式簿記のロジックだからである。

まずは、全ての勘定科目・補助科目について当月残高がマイナス残高となっていないかチェックする。基本的に当月残高がマイナス残高となっている場合は記帳に誤りがある。ただし、明確な理由が分かっていて短期的に解消される見込みがあれば放置してOKである。

次に、現金預金の当月残高と現金出納帳、通帳等の当月残高が一致しているか確認する。不一致の場合は記帳に漏れや誤りがある。

次に、売掛金・買掛金の補助科目ごとの残高は正しいか直前月分の請求書等で確認する。

次に、商品残高は正しいか棚卸表で確認する。

次に、当月残高が0となるべき勘定科目の残高が0となっているか確認する。例えば次のような勘定科目が該当する。
・口座振替勘定
・未払金(アマゾン、アマゾンビジネス)

最後に、その他の勘定科目の発生金額が妥当か確認する。その際、マネーフォワードでは、勘定科目名をクリックすると総勘定元帳が開き、補助科目名をクリックすると補助元帳が開く仕様となっている。必要に応じてどちらかの帳票を開き、取引内容に心当たりがあるか、金額が妥当かどうか確認する。

損益計算書のチェック

貸借対照表の妥当性がチェック出来たら、次に、損益計算書の妥当性をチェックする。

まずは、売上高の総勘定元帳を開いて、直前月発生の取引先や金額に関して、計上漏れはないか、二重計上はないか確認する。直前月のことなので、取引先や大まかな金額のことは覚えているはずである。

また、損益計算書では消費税率の妥当性をチェックしなければならない。

消費税の課税方式が一般課税の場合で、食品と食品以外の両方の商材を取り扱っている場合、それぞれの取引に関して、一般税率10%と軽減税率8%に区分する必要がある。ここでは、その区分が適切かチェックする。

また、消費税の課税方式が簡易課税の場合、それぞれの取引の事業区分に応じて、第一種から第六種に区分する必要がある。さらに、食品と食品以外の両方の商材を取り扱っている場合は、それぞれの取引の事業区分に応じて、一般税率10%の第一種から第六種、軽減税率8%の第一種から第三種に区分する必要がある。ここでは、その区分が適切かチェックする。

なお、税区分に関しては、「税区分の初期設定」の記事で詳しく説明しているので、そちらを参照してほしい。

ところで、アマゾン出品者や楽天市場出品者で、取引をマネーフォワードで取り込み仕訳登録している場合、取引数が膨大となるので、毎月チェックするのは困難かもしれない。その場合、最初の3か月ぐらいチェックして妥当であれば、仕訳ルールが妥当ということである。後は、定期的に任意のページを確認して、仕訳ルールの妥当性が維持されていることをチェックすればよいと思う。私はそのようにしている。

次に、売上総利益率(粗利率)は妥当か確認する。これは損益計算書の妥当性を図るなかで最も重要なチェックである。というのも、ビジネスモデルごとに粗利率は概ね一定だからだ。直前月の粗利率、あるいは、累計の粗利率が標準的でない場合は棚卸高がおかしいと判断できる。粗利率が低い場合は棚卸に漏れがある。粗利率が高い場合は棚卸に過大計上がある。もちろん、不良在庫を処分価格で販売したために粗利率が低下したなど明確な理由があれば話は別である。

売上高と粗利率をチェックしたら、最後に仕入、経費の発生状況をチェックする。

先程も案内した通り、マネーフォワードでは、勘定科目名をクリックすると総勘定元帳が開き、補助科目名をクリックすると補助元帳が開く仕様となっている。仕入、経費のうち、直前月に発生金額のある科目をクリックして、取引内容をざっと確認する。

また、損益計算書では消費税率の妥当性をチェックしなければならない。

特に、消費税の課税方式が一般課税の場合、仕入、経費を取引ごとに一般税率10%と軽減税率8%に区分し、さらに、インボイスの有無を確認して適格にチェックを入れるかどうか判断しなければならない。結構な手間だが、毎月行うことで負担を分散させることができる。

なお、消費税の課税方式が簡易課税の場合、仕入、経費の消費税率は税額計算に影響しないので、何もチェックする必要はない。

財政状態のチェック

☐ 財政状態のチェック(法人編)
中小法人にとって最も重要な財務指標は自己資本比率である。その理由は別の記事で説明しているのでそちらを参照してほしい。結論だけいうと中小法人は自己資本比率30%~50%が健全性の目安となっている。御社の自己資本比率が健全性の目安に当てはまっているか毎月確認してほしい。

☐ 財政状態のチェック(個人編)
個人事業者は債務超過でないかチェックする。債務超過は新規借入や法人化の支障となるので避けるのが賢明だ。

・(資産の部合計-事業主貸)-(負債の部合計-事業主借)>0 であれば資産超過OK
・(資産の部合計-事業主貸)-(負債の部合計-事業主借)<0 であれば債務超過NG

経営成績のチェック

次に、経営成績をチェックし、御社の収益力を把握する。

具体的には、売上高、売上総利益、営業損益、経常損益、当期純損益の、当月と累計の金額をそれぞれ確認する。現状の売上高に対して、利益が出ているか、それとも損失がでているか、それぞれの損益に関してチェックしてほしい。

大事なことは、毎月、定期的に数字を見ることである。最初は機械的でもいいので、それぞれの金額を確認する習慣を身につけてほしい。確認するだけで経営に良い影響が期待できるのは、心理学が示唆しているところだ。

残高試算表のプリント

新規借入をする際、銀行から直前月の残高試算表を求められる。そういう場合は以下の要領でプリントする。

・メニュー>会計帳簿>残高試算表
・選択期間>直近月>検索
・(右上の)エクスポート>一括出力(PDF)

エクスポートされたデータをストレージでダウンロードしてPDFをプリントする。

・書類管理>ストレージ
・ダウンロード>(右上のダウンロード履歴)PDFを開いてプリント

残高試算表のCSV出力

残高試算表のデータをCSVで出力し、エクセル形式で保存すればデータ加工が可能となる。損益分岐点分析や事業計画を作成するときはこのデータを利用する。

・メニュー>会計帳簿>残高試算表
・選択期間>該当月>検索
・(右上の)エクスポート>貸借対照表(CSV)or 損益計算書(CSV)