財務戦略の考え方「判別値の意味」


次にデフォルトと非デフォルトを区分する判別値 k の意味を詳しく説明します。

図は、デフォルト企業群と継続企業群の格付スコアの分布です。横軸が格付スコア、縦軸が企業数を表しています。

判別値 k は、デフォルト企業群の格付スコアよりもできるだけ大きく、かつ、継続企業群の格付スコアよりもできるだけ小さい値として統計的に求められます。その結果、デフォルト企業群の86%が格付スコア<k 、かつ、継続企業群の75%が格付スコア≧k となる値が判別値 k として設定されています。判別率は80%と高い水準です。

注目すべきなのは、継続企業群の分布と判別値 k の関係です。継続企業群の25%は判別値 k によってデフォルトと判別されているにもかかわらず、実際にはデフォルトしていません。このことは、財務内容が悪化しても実際にはすぐにデフォルトするわけではないことを意味しています。この事実をもとに、判別値 k を信用格付の定義に分類してやれば、デフォルト判別モデルと信用格付を関連付けることができます。