個人保証を外す方法


中小企業が銀行融資を受ける際、経営者の個人保証が融資慣行として定着していますが、もし個人保証を外す方法があれば取り組んでみたいとお考えになっている経営者は多いのではないでしょうか。中小企業庁の調査(2013年)によれば、経営者の43%が個人保証を「精神的な負担が大きい」と感じ、26%が個人保証のために「経営陣の世代交代が難しい」と感じています。

今現在、個人保証を外す確実な方法は借入金の完済しかありませんが、経営者の個人保証を見直す機運が高まっています。それは近年、保証人保護の観点から保証制度の変更がいくつか行われたことからも伺えます。

  • 平成17年(2005年)4月、民法改正により包括根保証が禁止され、金額や期間に制限のない保証契約が禁止されました。
  • 平成18年(2006年)4月、信用保証協会が経営者以外の第三者保証人を求めることが原則として禁止されました。
  • 平成23年(2011年)7月、金融庁の監督指針で、銀行が経営者以外の第三者連帯保証人を求めることが原則として禁止されました。

これらの制度変更は、経営者が無制限に責任を負わされることや、経営にタッチしない第三者が責任を負わされることを禁じたものですが、今年に入り、経営者自身の個人保証を見直す提言がなされています。

平成25年(2013年)5月、中小企業庁と金融庁が共同で「中小企業における個人保証等の在り方研究会報告書」を公表しました。この報告書によると、個人保証に依存しない融資慣行を築くために、中小企業の「経営の高度化を図っていくことが重要」であるとし、具体的な取り組みを例示しています。

  • 法人の事業資産と経営者個人の資産を明確に分離する
  • 法人と経営者の間の資金のやり取り(役員報酬・配当・貸付など)を、社会通念上適切な範囲を超えないものとする
  • 法人のみの資産・収益力で借入返済が可能と判断し得る状態とする
  • 経営者等から十分な物的担保を提供する
  • 中小企業から適時適切に財務情報を提供する

中小企業が、企業のガバナンスと財務基盤を強化し、経営の透明性を確保すれば、個人保証による信用補完が不要になるばかりでなく、中小企業の活力が引き出され、創業・事業承継・事業再生といったそれぞれの課題の克服につながると提言しています。

具体的な例示をご覧になってどう感じたでしょうか。今すぐは困難でも、計画的に取り組めば十分にクリアできると思われたのではないでしょうか。御社に財務のスキルがあれば、財務基盤を強化することも、経営の透明性を確保することもできます。将来的に制度が整えば、個人保証を外すことは十分に可能なのです。

この報告書を受け、平成25年6月、政府は成長戦略の一環として個人保証の見直しを閣議決定しました。平成25年9月に有識者会議を発足させ、年内を目途にガイドラインを策定する予定となっています。