金融モニタリング基本方針と監督方針


平成25年9月、金融庁は今事務年度(平成25年7月~平成26年6月)の「金融モニタリング基本方針(検査基本方針)」と「監督方針」を公表しました。二つの方針は、金融庁が銀行等を検査・監督する上での基本方針です。

 

(平成24年事務年度の監督重点分野)
 ・ 円滑な金融仲介機能の発揮
(平成25年事務年度の監督重点分野)
 ・ 中小企業の経営支援をはじめとした積極的な金融仲介機能の発揮

ここでの金融仲介機能とは新規融資を意味しますが、平成25年事務年度では、「中小企業の経営支援」と名指しした上で「積極的な」新規融資を銀行に促している点が注目です。

平成25年4月、日銀が実施した異次元緩和によって銀行の日銀当座預金残高が積みあがっている中、政府のデフレ脱却政策と成長戦略に後押しされる形で、金融庁が銀行に対して果敢にリスクを取るように促している構図が透けて見えます。

一方、平成25年 金融モニタリング基本方針には、地域金融機関に対する検証項目として次の項目が掲げられています。

 ・ 政府のデフレ脱却の取組みが進む中での審査の考え方の変更

地域金融機関が、政府のデフレ脱却方針に応えるため、今後どのように「審査の考え方」を変更するのか注目しなければなりません。

また、金融モニタリング手法の見直しとして注目すべきなのは次の2点です。

 ・ 融資審査における事業性の重視

担保・保証に過度に依存せず、事業性を重視した融資慣行を確立するために、事業の期待収益とリスクに対する評価能力を高めるように金融機関は求められています。中小企業の資金調達力が、その事業性に依存する傾向はより一層強まっていくでしょう。

 ・ 小口の資産査定に関する金融機関の判断の尊重

金融機関の財務全体の健全性の観点からあまり重大でない小口の資産査定については、引当等の管理体制が整備され有効に機能していることを前提として、金融機関による債務者区分等の判断が極力尊重されることになりました。中小企業に対する融資の多くが「小口」に該当すると見込まれるため、中小企業にとって、銀行の裁量による融資の拡大が期待されます。

金融モニタリング基本方針と監督方針は経済金融情勢等を踏まえて毎年作成されます。つまり、毎年方針が変わるということです。金融庁の方針が変われば銀行の融資姿勢も変わります。毎年変わる金融庁の方針に財務活動を適応させていく必要があります。