財務戦略の考え方「資金調達力の本質」


借り手企業の基本的な取引方針や貸出条件は自己金融能力の高さによって判断されることが明らかになりました。そうすると、資金調達力は自己金融能力に比例して伸縮することになります。

企業の業績が良く自己金融能力が高い時は、銀行の取引方針は「積極的」となり、貸出条件は企業に「有利」となります。すなわち、借り手企業の資金調達力が高まります。銀行には融資を増やすインセンティブが働きますが、借り手企業には銀行融資を返済するインセンティブが働きます。資金余力が発生しているからです。

企業の業績が悪化し、自己金融能力が下がると、銀行の取引方針は「消極的」となり、貸出条件は企業に「不利」となります。すなわち、借り手企業の資金調達力が弱まります。借り手企業には銀行融資の必要性が高まりますが、銀行には融資を減らすインセンティブが働くため、借り手企業に資金不足が発生することがあります。

これが「銀行は晴れた日に傘を差し出し、雨が降ったら取り上げる」ロジックです。このロジックは、資金調達力の本質を端的に表しています。