マネーフォワードを賢く導入! IT導入補助金2023の申請に必要な絶対条件とは?

IT導入補助金2023は終了しています。IT導入補助金2024はこちらをご覧ください。

マネーフォワードを導入するなら、IT導入補助金2023(デジタル化基盤導入枠)を利用するのが賢い方法だと別の記事で提案した。(「マネーフォワードを賢く導入! IT導入補助金(デジタル化基盤導入枠)とは?」参照)

今回は一歩進めて、IT導入補助金2023(デジタル化基盤導入枠)の申請に必要な要件を紹介したいと思う。

申請要件には、その難易度に応じて、絶対条件、ハードルの高い要件、事前の手続きを要する要件、ハードルの低い要件、甘受するほかない要件に分類される。

この記事では、難易度別の申請要件を詳説したい。

絶対条件

この申請では、税務申告履歴が絶対条件となっている。納税証明書が添付書類の一つとなっているからだ。法人なら法人税の申告履歴、個人事業主なら所得税の申告履歴が必要である。

そのため、開業したばかりの事業者はこの申請を行うことができない。税務申告履歴は動かしがたい事実なので、まずはそれを確認すべきだ。

なお、法人に関しては決算月の変更が可能なので、開業したばかりの法人が税務申告履歴をつくることは可能である。(ただし、消費税の免税期間に影響するのでメリットデメリットの比較検討が必要である)

また、納税額が0の場合でも納税証明書の交付を受けることができる。仮に、赤字申告で納税したことがなくてもそういう心配は不要である。

ハードルが高い要件

この申請には「交付申請の直近月において、申請者が営む事業場内の最低賃金が法令上の地域別最低賃金以上であること」という要件がある。

「主たる事業所における従業員の事業所内最低賃金」が「地域別最低賃金」以上でなければならないが、従業員には「正規雇用」「契約社員」だけでなく「パート・アルバイト」が含まれるので、「パート・アルバイト」を安く雇用している場合は要件に抵触することがある。

地域別最低賃金は厚生労働省の下記サイトで確認できる。

厚生労働省HP「地域別最低賃金の全国一覧」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/index.html

また、事業所内最低賃金の計算方法は厚生労働省の下記サイトが参考になる。

厚生労働省HP「最低賃金額以上かどうかを確認する方法」
https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/seido/kijunkyoku/minimum/minimum-13.htm

あなたの事業所に関して実際に計算して確認してほしい。

仮に、「事業所内最低賃金」が「地域別最低賃金」未満であっても悲観する必要はない。「交付申請の直近月」までに引き上げればよいだけである。そういう前向きな姿勢が補助金申請には不可欠である。

事前の手続きを要する要件

「gBizID プライム」アカウントの取得

IT導入補助金の交付申請においては、「gBizID プライム」アカウント(ID・パスワード等)が必要となっている。gBizID とは複数の行政サービスを利用することができる認証システムのことである。なお、現在はgBizID の利用に料金は発生しない。

「gBizID プライム」アカウントは、デジタル庁HPから取得することができる。
https://gbiz-id.go.jp/top/manual/manual.html

gBizID プライムの取得には次の書類等が必要である。
① 印鑑証明書
・法人の場合、法務局が発行した印鑑証明書の原本
・個人事業主の場合、地方公共団体が発行した印鑑登録証明書の原本
・登録申請日から3カ月以内に発行されたものに限る
② 実印
・法人の場合、登記印(代表者印)
・個人事業主場合、実印
③ メールアドレス
・「法人代表者ご自身」又は「個人事業主ご自身」のメールアドレス
④ SMS 受信が可能な電話番号
・「法人代表者ご自身」又は「個人事業主ご自身」のSMS 受信が可能な電話番号

なお、gBizID プライムアカウントは申請から発行までおおむね2週間かかるので、早めの手続きが無難だ。

「SECURITY ACTION」の「★ 一つ星」又は「★★ 二つ星」いずれかの宣言

IT導入補助金の交付申請においては、「SECURITY ACTION」の「★ 一つ星」又は「★★ 二つ星」の宣言が要件とされている。

SECURITY ACTION とは、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する中小企業・小規模事業者等自らが、情報セキュリティ対策に取組むことを自己宣言する制度のことである。

「SECURITY ACTION」の概要は以下のサイトを参照してほしい。
https://www.ipa.go.jp/security/security-action/it-hojo.html

因みに、一つ星の宣言は以下の通りとなっているので、これを機に宣言すればいいと思う。くどいようだが、そういう前向きの姿勢が補助金申請には不可欠である。

「情報セキュリティ5か条」に取組むことを宣言
1.OSやソフトウェアは常に最新の状態にしよう!
2.ウイルス対策ソフトを導入しよう!
3.パスワードを強化しよう!
4.共有設定を見直そう!
5.脅威や攻撃の手口を知ろう!

「みらデジ経営チェック」を交付申請前に行う

IT導入補助金の交付申請においては、gBizID プライムを利用して、みらデジ事業者登録を行ったうえで、みらデジ経営チェックを実施することが要件となっている。

「みらデジ」は、中小企業庁が実施する中小企業・小規模事業者等の経営課題をデジタル化により解決することをサポートするポータルサイトであり、「みらデジ経営チェック」は、経営課題解決に向けた”気づき”につながるチェックツールのことである。

詳しくは下記サイトを参照してほしい。
「みらデジ」TOPページ
https://www.miradigi.go.jp/

ハードルの低い要件

この補助金では、日本国内で事業を営む法人又は個人が申請対象となっている。

また、業種ごとに「資本金」又は「常時使用する従業員数」が一定以下であることが要件となっている。補助金事務局HPで確認してほしい(https://www.it-hojo.jp/overview/)。なお、業種共通の要件として、資本金5,000万円以下、または、常時使用する従業員の数が50 人以下の法人及び個人事業主であればOKだ。

なお、以下の事業者は申請対象外となっている。
・大企業と資本関係・人的関係がある法人
・直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超える事業者
・反社、風俗、宗教法人ほか

甘受するほかない要件

その他にも要件はあるが、甘受することができて甘受するほかない要件なのでここでは割愛する。詳しくは「IT導入補助金2023公募要領(デジタル化基盤導入枠)版」を参照してほしい(https://www.it-hojo.jp/first-one/)。

結びに

私が主宰する「マネーフォワード導入推進コンソーシアム」はIT導入支援事業者として採択されており、マネーフォワードの導入サポートに特化したコンソーシアムである。

もしあなたがマネーフォワードの導入を検討したい、IT導入補助金(デジタル化基盤導入枠)の利用を検討したいとお考えなら、お問い合わせページからご連絡いただきたいと思う。