
ABLに取組みやすい動産の適性は次の3点です。
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評価しやすい
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管理しやすい
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換価処分しやすい
評価に関しては、商品取引所で取引されるような「価格の透明性がある」動産や、卸売市場があるなど「価格が標準化されている」動産に適性があります。
管理に関しては、「保管・在庫管理しやすい」動産や「容易に持ち出しにくい」動産に適性があります。
換価処分に関しては、「中古市場がある」動産に適性があります。
以上の観点から、ABLに向いている動産の事例を掲げます。
1、自動車
自動車は中古市場があり、価格の公正さと透明性が非常に高い商品であり、評価・処分の観点からABLに活用しやすいといえます。
2、鉄・非鉄・貴金属地金
コイル状の薄板、厚版、再生アルミ、銅、金・銀・白金のインゴッドなどは、商品取引所や市況があり、価格の透明性が高く、ABLに活用しやすいといえます。ただし、貴金属は盗難等に備えた保管・在庫管理の適正さが求められます。
3、天然素材
羊毛、繭、羽毛などの原材料は処分しやすく、保管状況が良ければある程度の期間は品質劣化が少ないため、ABLに活用しやすいといえます。
4、ブランド品
時計、バッグ、アパレルなどのブランド品は、ある程度の中古市場が成立しているため、ABLに活用しやすいといえます。
5、冷凍水産物
マグロ、エビ、辛子明太子の原料となるスケコ、すり身原料などは、卸売市場等もあり市場性が高いため、ABLに活用しやすいといえます。
図表にまとめると次のようになります
(動産・債権等の活用による資金調達手段 経産省委託事業 ㈱野村総合研究所 平成18年3月 27pから引用)
一方、担保適性を欠く在庫の例は次のとおりです。
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仕掛品、半製品
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不良品
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回転期間が長い在庫(商品によって適正な期間は異なる)
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特注品(特定の販売先向けに作られた製品)
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委託販売品
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備品
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他の製造者が作った製品
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サンプル、ディスプレー用として使用された商品など
また、動産そのものの適性もさることながら、動産の管理体制に関する適性も重要であり、次のような場合に適性が高いと考えられています。
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商品の特性上在庫管理が徹底されている
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第三者倉庫が利用されている
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ICタグの活用等によりタイムリーな在庫把握が行われている